■青年会議所 2000年代運動指針
 
−2010年「個と公の調和」のとれた「活力と知力」あふれる社会の創造を目指して−
[はしがき]

21世紀の扉、そして、ニューミレニアム(新千年紀)の扉を開く極めて重要な10年間。2000年代運動指針は、この大切な 10年間のJC運動の「道しるべ」です。
新しい時代の新しいJC運動。
2010年、私たちは、社会起業家として、「個と公の調和」のとれた「活力と知力」あふれる社会の創造を目指します。


T 日本は今・・・時代の変革期を乗り越えて

戦後の我が国は、経済立国という国家目標のもと、欧米に追いつけ追い越せというキャッチアップ型の国家運営で驚異的な経済成長を遂げてきました。平和と安定と、そして何よりも繁栄を手にしてきたのです。
しかし、1990年代を通じで明らかになったことは、日本社会が大きな壁に突き当たっているということです。
教育問題が声高に叫ばれていますが、その背景には家庭や地域の崩壊、モラル低下など国民の楯神文化の退廃の問題が横たわっています。
戦後の成長を支えてきた中央集権型行政システム、利益誘導型政治システムがもはや限界に達しています。とりわけ規制でがんじがらめの経済システムは、経済のそして社会全体の活力を失わせています。
日本は今、大きな試練のときを迎えています。
まさに時代の変革期なのです。
この大きな壁を乗り越えていくために大切なのは、不安感や悲観論ではなく、健全な危機感に裏付けられたチャレンジ精神です。
時代を切り拓くために必要とされる新たな哲学、新たな価値観、新たなルールとは何か。それをどのようにして実現していくのか。
ここに、これからのJC運動の「道しるべ」として、すべてのJCメンバーに向けて、2000年代運動指針を策定いたします。


U 日本の可能性・・・時代を切り拓くキーワード

 日本の現状を鑑みるとき、私たちが目指すべき「明るい豊かな社会」とは、個人が最大限に尊重されながらも、同時に、公共心にあふれた安心感や安定感のある社会、そして、いきいきとした、活力にあふれ創造性豊かな社会です。時代を切り拓くキーワードは、「個と公の調和」そして「活力と知力」ということになります。

1 「個と公の調和」

個人を最大限尊重しながらも、公共心にあふれた安心感や安定感のある社会や国家をいかにして創っていけるか。それが「明るい豊かな社会」を創造するための第一歩です。
「個と公の調和」とは、個人の尊重とともに、公共心や組織の和を尊ぶ倫理規範なども同じように尊重していこうという哲学です。「個人の確立と公共心の創出」と言い換えることもできます。
私たちは、昨今の「個」ばかりが全面に出され強調されてきた価値観(ミーイズムの風潮)を乗り越えて、もう一度まわりを振り返り、地域と自分、社会と自分、日本と自分、世界と自分の関係や、自らの存在意義というものを考えてみる必要があります。また、人とともに生きることの意味、自然とともに生きることの意味といった根元的なことも問うてみる必要があります。
そして、このような問いかけの中においてこそ、「物の豊かさばかりでなく心の豊かさを求める」、「進歩と同時に伝統的価値感や伝統的文化を大切にする」ことの意味が明らかになってくるのです。
国への奉公が求められた戦前や戦中、個人の尊重を最大の価値とした戦後を経て、私たちは今、滅私奉公ではなく、かといって利己主義でもない、「新しい個と公の関係」をどのようにして創っていくかが問われています。
まさに、私たちの「精神の仕切り直し」が必要とされているのです。

2 「活力と知力」

@活力

自由な競争を抑制し自己責任をあいまいにすることの弊害がいたるところで顕在化し、結果的に日本の活力が乏しくなっています。「明るい豊かな社会」というためには、社会にいきいきとした活力があふれていなければなりません。活力こそが変革の力の源なのです。
活力ある日本を創造するためには、社会のあらゆる場面で「競争と自己責任の原則」を共通認識としなければなりません。自らの責任を自覚し競い合うことで、人は成長し、さらなる−歩を踏み出すことができます。企業や組織にとっても、それは同じです。
まちづくりも国づくりも、自らのことは自らで判断し実行し責任を持つという基本発想に基づいていなければなりません。「要求型民主主義」「おまかせ民主主義」から脱却しなければなりません。
努力することが報われるような社会制度に改革しなければなりません。
無用な規制や過度の干渉は撤廃しなければなりません。

A知力

「明るい豊かな社会」は、創造性豊かな社会です。
知力とは、発想力、情報力、戦略性、魅力、知恵、生きる力など創造力に不可欠な「知的な力」の稔称です。
それまでの鎖国を解いて近代国家を築き上げた明治維新も、敗戦の焼け跡からみごとに経済復興を果たした戦後も、その力の源は日本人の知力だったのです。
知識や情報が主体となる情報化社会においては、知力が決定的に重安になるのであって、ますます私たちの知力が試されることになります。
また、情報技術の革命的な進歩は、私たちの知力の大きな武器になります。情報技術革命(IT革命)は、経晴成長の鍵にとどまらず、政治、経済、社会システムを再構築する際の鍵でもあります。


V 青年会議所の可能性・・・人間力闘発と四つの政策ビジョン

2000年代運動指針は、「個と公の調和」のとれた「活力と知力」あふれる社会の創造を目指すこれからのJC運動の方向性を、「人間力開発」というJC連動の機軸と、「国家ビジョン」「地域ビジョン」「経済ビジョン」「地球ビジョン」という四つの政策ビジョンから示しています。

1 JC運動の機軸としての「人間力開発(Human Development)」


「個と公の調和」そして「活力と知力」は、時代を切り拓く新しい哲学、新しい価値観です。また、以下、四つの政策ビジョンごとにJC運動の具体的方向性を示していきますが、いうまでもなく、新しい価値観を持って新しい社会システムを創造していくのは、一人ひとりの人間です。
大変革期にある今こそ、「明るい豊かな社会の創造」を目指してたゆまぬ社会変革を実現していこうとする私たち青年会議所は、変革を実現していく人間の力に着目すべきなのです。
そうだとすれば、JC運動の機軸は、自らに活力と知力とを兼ね備え積極果敢に社会改革運動を実践できる人間、そんな人間力の開発に求められるべきです。JC運動が理想とする「まちづくり」とは、すべての市民を視野に入れた「ひとづくり」、すなわち、すべての市民を視野に入れた「人間力開発」
運動であるべきです。
従来の「社会開発(Community Development)」はそれを実現する「人」との関連があいまいでした。また、従来の「指導力開発(Leadership Development)」はJCメンバーのみを対象にしてきたところ に限界があります。これからは、社会開発と指導力開発は、すべての市民を視野に入れた「人間力開発」(Human Development)に集約されるべきです。
私たちは、自らに活力と知力とを兼ね備え積極果敢に社会改革連動を実践できる人間を「社会起業家」と呼びます。そうすると、JC運動は、すべての市民を視野に入れた「社会起業家づくり」運動ということもできます。
したがって、以下の四つの政策ビジョンに沿ったJC運動を展開する際、「人間力開発」というJC運動の機軸に合致しているか否かを常に検証する必要があります。


2 四つの政策ビジョン

【国家ビジョン】誇りある国家日本の創造

@ 日本人の精神文化

国は国民によって成り立っています。
だとすれば、国のかたちは必然的に国民の精神文化によって形成されます。
我が国の現状は、残念ながら国民の精神文化の深いところで退廃しているといわざるをえない状況にあります。また、今後さらに情報化、国際化が進めば進むほど、私たちは日本人としての自らのアイデンティティを見失いがちになります。
日本が、そして日本人が長い歴史のなかで大切に育んできた「伝統」「文化」「精神」「公共心」「組織の和を尊ぶ倫理規範」といったものに積極的に光を当てていきましょう。
私たち一人ひとりが、日本人としてのアイデンティティを確立しましょう。
私たち一人ひとりが、国のことも自分のこととして受け止め、我が国の未来をこの手で創っていきましょう。


A 国家アイデンティティの確立

地球上の国家が多様性を認めあって、それぞれの独立国家が個性を発揮しながら存在することが理想的な国際関係です。そしてそれぞれの国民が地球全体のことを視野に入れながらも、「国家」という背骨をつねに意識して生きていくことが大事なのです。
私たちの属している「公」は地球社会である以前に、日本国という「公」です。私たちは、地球市民である前に日本国民であることを忘れてはいけません。
国家のアイデンティティは他国から干渉されるものでも、他国の様子をうかがいながら創るものでもありません。私たちの「歴史」のなかに確固として宿るものです。
誇りある国家としてのアイデンティティを確立して、世界の中の日本として堂々と「たくましく」行動していきましょう。


B 国の未来をつくる教育

誇りある国家、魅力ある国家「日本」を創造し、持続させていくためには、自らに誇りや魅力を兼ね備えた国民を育成していく必要があります。国を形成する国民の資質向上と、自国の確かな歴史を学ぶことは、日本の将来にとって極めて重要な課題です。教育は、まさしく国家百年の計なのです。
次世代を担う子どもたちは、親の背中や地域の姿を見て育ちます。学校教育のみならず、社会や日常生活の中で、人間性を確立し、公共心も学び取ります。すなわち、学校、家庭、地域の三者のパートナーシップによる教育が重要なのであり、学校とともに親や地域が変わらなければ子どもは変わらないのです。
私たち青年会議所は、子どもを持つ親の世代の団体として、地域に根ざし、かつグローバルな視野で運動を展開している団体として、さらには、全国規模の強固なネットワークを持っている団体として、教育問題について積極的に捷言し実行していきましょう。

重点課題:
@日本人の精神文化 ・日本の「伝統、文化、精神」に支えられた新たなモラルの構築
  A国家アイデンティティの確立 ・誇りある国家としてのアイデンティティの確立
    ・国際社会への協力、支授についての捷言と実践
  B国の未来をつくる教育 ・自らに誇りと愛情を育める国民教育の提言と実践
    ・学校、家庭、地域のパートナーシップによる人間力教育
    ・学校教育の充実についての捉育と実践

【地域ビジョン】市民主体の成熟した社会の創造

@「地域主権」の時代の活力と知力

活力ある日本を創造するためには、従来の行政主導型自治の仕組みを改め、自由競争、自己責任を前提とした市民主導型自治の仕組みへの転換を図る必要があります。
2000年4月から、いわゆる地方分権一括法が施行されました。
しかし、地域のことは地域で決定し、その責任も地域で負うという基本的な発想からすれば、地方「分権」というよりは、本来、地域「主権」と捉えるべき性格のものです。
今や社会は市民自らの手で創り出す時代です。
この「地域主権」によって市町村合併、広域行政が推進されれば、「画一と集積」から「多様と分散」が促進され、新しい人、もの、金の流れが起き、地域に「活力」が生まれます。
一方、情報化、国際化の時代だからこそ、地域らしさや、地域の魅力などのローカル・アイデンティティが重要になります。地域の情報を積極的に公開し受発信するためには、地域間競争に打ち勝つための戦略、戦術が必要となり、必然的に地域の「知力」が生み出されます。
この「活力と知力」が地域主権の要素なのです。そして、この活力と知力を生み出していくのは「人」であり、力の源となる「人間力」に他なりません。


A 市民主体の成熟した社会の主役

活力と知力あふれる地域主権の主役は、「市民」と「NPO」です。
人間力あふれる「市民」が、地域のことを我がことと考えて「夢」を「かたち」に変えていく、地域のことは地域の権限と責任で、しかも市民が主導的に解決する、そんな市民主体の社会こそ、私たちが目指す成熟した市民社会なのです。
このような市民社会を築くには、市民が地域に対して自らの出来ることを実践していくという個々の自覚ある市民意識が必要です。地域の中で市民意識や公共心を育んでいく教育、そのための仕組みづくりも必要です。そこに育まれるローカル・アイデンティティは、人々に「我がまち」という精神的支柱を与えます。
より良き社会創造に向けて社会に影響を与えていく多くの社会起業家たちの姿、そして、その受け皿としてのまちづくりを実践する仕組み、それこそが市民社会を醸成する重要な要素なのです。
社会起業家としてのまちづくりを実践する仕組みのひとつがNPOです。
今後、地域主権の視点から、社会や政治のシステムのつくり変えをすることで、必然的に「公」の一定部分を「民」が担うことになり、市民やNPOの活躍の場はますます広がります。市民が自らの手で地域と自らの子どもたちのために、NPOを媒体として人を育て、まちを創っていかなければなりません。


B 少子高齢化時代を迎えて

迫りくる少子高齢化は、私たちが直面する時代の大きな潮流です。
少子高齢化は、地域の活力の維持、福祉負担、社会の調和等をどのようにして図っていくかという問題を惹起します。また単に地域の問題にとどまらず、国力の低下ともいうべき国家全体の将来の問題です。
 2000年代、我が国が取り組むことになるこの問題に対して、腰を据えて正面からしっかりと考え受け止める心構えが必要です。
私たちは、高齢者の社会起業家としての力を地域の活力にかえる受け皿づくりや、NPOが地域社会の機関としてその知力を発揮すべく支援をしていかなければなりません。
積極的に社会と関わる市民を活力とし、人としてのあたたかい多くの知力を集結することで、課題をむしろ社会の活力にかえてゆきましょう。


重点課題:
@地域主権 ・地域間情報の受発信の必要性
    ・市民参画の社会システムの構築
  A市民主導型社会への転換 ・地域内ネットワークの構築
    ・NPOネットワークの構築
    ・市民の積極的政治参加の推進
  B市民主体の成熟した社会の主役づくり ・市民意織の構築
    ・NPOとの緊密な連携
  C魅力あるまちづくり ・まちの伝統、文化をふまえたロ∵カル・アイデンティティの確立
  D少子高齢化時代への対応 ・高齢者の積極的な社会参加の促進
    ・NPOなどの民間活力の活用

【経済ビジョン】活力と公共心あふれる経済システムの創造

@ 活力あふれる経済システムの創造

活力ある日本経済を築き上げるためには、自由で公正な競争と自己責任の原則が十分確保され、そこに新たな企業の創出と敗者が新たにチャレンジできる経済システムが必要不可欠です。競争と自己責任こそが、生産性を向上させ経済効率を高めるとともに、経済に活力をもたらすのです。無用な規制や過度の干渉は撤廃しなければなりません。
しかし、例外なき規制横和などと一方的なものでなく、日本の商慣習が通用する自由で公正な新たな日本型規制改革が必要です。
また、税制においても努力することが報われるような公平な制度に改革しなければなりません。


A 中小企業の活性化

経済の活性化には、経済を草の根で支える中小企業の発展が欠かせません。
今、日本の企業には、新たな情報化社会に迅速に、効率的に、しかもしなやかに対応できるスキルが求められています。これからの企業活動の中でますます重要になるのは、個性や戦略性、変化に対する柔軟な対応力などであって、小回りのきく中小企業にこそ成長のチャンスがあるということに注目すべきです。
私たち青年会議所のメンバーの多くは、中小企業経営者です。率先して新たな情報化社会に対応できる企業環境を整えましょう。


B 企業の社会的価値

企業は、その捷供する物やサービスによって国民生活を豊かにし、地域に対しては雇用の機会を提供するとともに、企業活動の結果得られた利益を、出資者に分配したり税金の負担などを通じて国民生活に安定をもたらしています。したがって、企業活動を正しく行い利益を生み出すことは、企業の第一の目的であるとともに社会への貢献でもあるのです。
企業の新たな使命として、積極的に社会と共生するという視点が求めちれます。市場経済的価値と社会的価値とが、対立ではなく調和のとれた経済システムを構築していく必要があります。
企業としても、積極的な社会貢献に対する信頼やプラスイメージが、従業員の新たな求心力となるとともに顧客の満足度を高めるという意味で、企業活動にとってプラスに作用することを認識すべきです。


C 社会起業家としての取り組み

私たちは、活力と公共心あふれる経済システムの創造を目指し、本業において自己貴任のもと、自力で成長する強い精神を持ち努力することが必要です。そして何よりもメンバーが本業において確実に成果を表すことが肝要です。
また、広く経済システムや税制についての提言を実施する際においては、LOMだけでなく、ブロック協議会や地区協議会、業種別部会、日本青年会議所などの広域組織、あるいは青年会議所同士のネットワークを有効に活用した取り組みを行っていかなければなりません。
そのような連携や情報循環のためのシステムの整備を行っていく必要があります。経済や経営問題についてのシンクタンク機能も必要になるでしょう。
また、自らの経営スキルを高めるための経常研修機能を強化したり、会員同士のビジネスネットワークの構築も必要になります。
私たち青年会議所は、経済と経営に強い団体を目指すべきです。


重点課題:
@活力あふれる経済システムの創造 ・規制のあり方の検討と提言
    ・公平な税制度の検討と提言
  A中小企業の活性化 ・高度情報化社会における経営哲学、経営手法の研究、研修
    ・中心市街地活性化モデルの提言と実践
  B企業の社会的価値 ・環境に配慮した企業経営モデルの提言と実践
    ・企業の社会的貢献活動の提言と実践
    ・高齢者の積極的活用モデルの捷育と実践
  C社会起業家としての取り組み ・経済システム及び経営モデルの検討と提言
    ・経済問題及び経営問題のシンクタンクの設置
    ・経常研修機能の強化
    ・業種別部会を活用したビジネスネットワークの構築
    ・外部経済団体との連携

【地球ビジョン】かけがえのない地球社会の創造

@ 真のグローバルネットワーク

私たちは、世界中の人々との真のグローバルネットワークを通じて、真の恒久平和実現を目指し、更に強固なパートナーシップを創造していきましょう。
その基本となる精神は、「JCには国境も民族もない。それは全世界の青年のものである。その誇りにおいて、我々は今ここにかつての敵国日本のJC代表団を心からなる歓迎をもって迎える。」という1951年の世界会議における日本JCのJCI加盟承認に際し、フィリピン出身のロザリオ会頭が 行ったスピーチに表されています。戦後初めて日本の団体が国際組織に復帰した瞬間です。
これからの真のグローバルネットワークを築く鍵は、全世界の青年共通の価値観や共通の目標を持つことにあると考えます。そのためには、世界中のJCメンバーが積極的に交流し、互いの文化の違いを認めあったうえで、理想の実現に向けて力を合わせて進んでいく努力を重ねていかなければなりません。したがって、NOMにあっても、LOMにあっても、メンバーは海外との交流の機会を積極的に活用し、自らその場に身を置き、世界中の仲間たちと共通の体験を分かち合うことを目指していく必要があり ます。


A 社会起業家としての取り組み

世界的には、冷戦終焉後も絶えることのない地域間紛争、飢餓、食糧問題、人口問題、エネルギー問題、あるいは自然災害や経済問題など、一国の内政だけでは解決し得ない多くの問題が山積しています。また、地球の温暖化や砂漠化などの地球環境問題は、私達一人ひとりの生命を脅かす問題でもあります。一刻も早く地球社会規模で解決していかなければなりません。
これらはいずれも、地球規模の「公」の利益、すなわち「地球益」に関わる事です。
そして、これらの問題は、もはや一国の力や、さらには、国のレベルだけで取り組もうとしても不十分であり、より広範な人々が地球益貢献活動に参画していかなければ間に合いません。地球規模の「公」の問題についても、民間が積極的に参画することが必要になっているのです。これからは、国家や国際機関だけではなく、企業やNGOとの連携によって解決される場面、そうでなければ解決できない場面が多くなります。
私たち青年会議所は、このような観点から、JCIあるいは各国のJCと連携し、さらには、国家や各種国際機関、企業とも連携して、かけがえのない地球社会の平和と安寧を創造すべく「地球益」を中心においた運動を展開していきましょう。
私たちは社会起業家として、環境改善につながる新しい循環型社会経済システムの構築や、グローバルな視点での国際交流、連携を進めていかなければなりません。


B 地球益推進連動

他方で、私たち一人ひとりの日常生活の身近なところからできる地球益推進運動もあるはずです。私たち一人ひとりが、「身近なところから」「できることから」という意識で行うちょっとした行動が、結果として地球益につながっていることも忘れてはいけません。
私たちは、地域に根ざした生活者の立場から、子どもを持つ親の立場から、そして社会起業家の立場から、身近な地球益推進連動に積極的に参画していきましょう。
宇宙の闇に青白く輝く、水の惑星、地球。
海が、大地が、森や湖が、動物、植物、人など地球上に存在するすべてのものが、地球というひとつの生命体です。私たちは、地球上に存在するすべてのものと運命を分かち合っているのです。
私たちは、この地球を「かけがえのない」いとおしいものと認織することから始めなければなりません。
私たちには、次世代を担う子どもたちに、このかけがえのない地球を引き継いでいく義務があるのです。


重点課題:
@社会起業家としての取り組み ・新しい循環型社会経済システムの完成
    ・グローバルな視点での国際交流、連携
  A地球益推進運動 ・国家、国際機関、企業、NPOとの地球益のネットワークの構築及び共働
    ・身近で行える地球益推進活動の捷育と実践


[あとがき】

日本の未来が見えないというのであれば、次世代に責任を持つ私たち青年がともに創っていきましょう。
今こそ、私たち青年が力を合わせて時代を切り拓いていくときです。
私たちは今、祖国復興への熱き想いを胸に青年会議所を創始した先達の「英知と勇気と情熱」に想いを至し、時代の変革期を乗り越えて「明るい豊かな社会」を築くため、時代の挑戦者としての社会起業家精神を持って、ふたたび力強く着実に歩き始めようではありませんか。


二度とない人生だから   

志を高く持とう

  
愛する我がまちだから 

夢をかたちに変えていこう

 
二つとない国だから

日本の未来をこの手で創ろう

 
かけがえのない地球だから

すべてのものとともに生きよう

 
 

時代をきりひらくのは  

我々青年の使命である

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