2月22日美夜古JC 主催・公開討論会傍聴編
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2月22日

  福岡ブロック、(社)美夜古 JC が公開討論会を開催する。18時開場、 行橋市 民会館。

  3月5日を投票日とする 行橋市 長選挙にともなうもの(告示日は26日日曜、告示日の4日前の開催となる)で、公開討論会の形式としては、日本 JC が推奨する『ローカル・マニフェスト型』ではなくリンカーン・フォーラム形式のもの。昨年、私達が企画した形態もこれになるはずだった。

  今回のコーディネータはリンカーン・フォーラム九州代表の木村貴志氏、プロフィールによれば高校の国語教師だった時期もある、教育政策提言を主なフィールドとする方。そういえば、昨年お世話になったリンカーン・フォーラム(九州副代表の加治さん、福岡工業大の池田さんなど)の皆さんは英語会話でのディベートの講師などを務める教育畑の方々だった。ローカル・マニフェスト推進ネットワークの神吉さんあたりとちょっと毛色が違うのはその辺りに根っこがあるのかもしれない。今回の公開討論会のパネラーは2名、現職と新人。

  入り口にて、美夜古青年会議所の封筒にはいった当日資料を渡される。中には式次第、入場者への注意・依頼事項、コーディネータのプロフィール、パネラーのプロフィール(これには自分の提唱する公約や政策は記載されておらず、自分の経歴や趣味、座右の銘、運動事務所の住所などが記載されている)が封入されている。会場への入り口は一箇所限定らしい、入り口わきの壁に大きく入場者への注意・依頼事項が掲示されている。

  それとなく目を配ったが、見るからに私服警官のような方はいなかったように思える。これは確認しないと分からないが、既に2回目を迎えるという美夜古青年会議所主催の 行橋市 市長選挙公開討論会への、当局の信頼の証しだろうか。


  壇上、入場者の面前、くじ引きで着席の順や発言の順が決められるのは周知のところ。舞台背後にプロジェクターで必要な情報を投影できるよう準備をされてある。手話ボランティアが2名。演台正面最前列にタイムキーパー席。最前列下手側がプレス席(事業終了後早速、西日本新聞・京築地方版にネットで当日中にこの日の状況がアップされていた。ノートパソコンで筆記していた記者が一人いた、彼がそうだったのかも知れない)。

木村氏は冒頭に、かつての立会演説会が廃止された経緯を述べられる。既に20年以上前に廃止された演説会ではあるけれど、今回の会場内には高齢の入場者も多く、往時の状況をご存知なのか、説明にうなずく方も多い。これを踏まえて公開討論会の発生経緯とし、本日の事業が粛々とつつがなく終了することへの誘導とされた。

ルール説明の後は発言順にしたがって、まず自己紹介を兼ねて選挙戦への思い(コーディネータは『先ず、選挙戦に対するお考えを述べてください』と確かに言ったと記憶する。昨年の私達の事業では、まちの選管から『とりあえず「選挙」という言葉は使わないで下さい』という指示もあり、事業名を『筑前町の明日を考える公開討論会』としたが、今日の事業名は 『行橋市 長選公開討論会』だ。だいぶ規制も軟らかくなってきたような印象を、たったこれだけの情報のなかにも見出せる。あるいは、そうした今日の流れを演出したのが昨年までの各地会員会議所の尽力だったのだ。かといって、立候補予定者が『私に一票を』などと言ったわけではないのは無論のこと)を語ってもらう。時間は一人8分。

  次に公開質問5項目に対する自説を1項目5分。

  それから、当日の来場者からの質疑応答を混乱なく実施したいという主催者側の配慮だろう、会場入り口で渡された資料綴りの中に『一般質問』記入用紙があり、開会される前に回収されたものの中から、当局が採用した2項目を、各3分。懸案だったと説明があった 行橋市 のごみ処分形態の問題を3分、3月に近隣に開港する新北九州空港を取り込んだまちづくりの基本構想についてを3分。

  そして、最後に『何か言い残したことを』という流れで一人3分。

  美夜古 JC は、既に4年前に 行橋市 長選挙にともなう公開討論会を開催済みらしい。今回はその時誕生した市長の任期満了に伴う公開討論会で、つまりパネラーの一人は現職 行橋市 長だから、ある意味こなれた感じで、安心して見ることが出来た気がする。選挙という極限状態でも出演を承諾してくださる関係者がいるということは、日頃から美夜古青年会議所が自治体行政と信頼関係のあついことの現れだ。

  会場内の入りは、当日少雨であったこともあり、幾分少ない気もしたが、最後がよかった。私の2席ばかり隣に座っていた爺さんが、閉会の辞を壇上で述べている副理事長に向かって、一言『ようやったぞ』と声援、褒めていたことだ。肩書きも何にもない、一般の地域住民から賞賛を受けるなんていうことは、これこそ JAYCEE の本懐だから。

  霧雨のなか、 JC が主催する事業に爺さんが足を運んで終演まで1時間30分、最後の最後まで静かに見守ってくださり、そして賜った、思わず口にした声援だった。良かれ悪しかれ、組織構成員以外から評価を頂く機会に乏しい私達であるから(美夜古は例外かも知れないが)、ひとしお嬉しい。


  こういうのって、やっぱりいいよな。


美夜古は成功に終わった。本年の福岡ブロック協議会長を輩出する LOM でもある。ローカル・マニフェスト型であるのかという如何を問わず、本年、以降の市民主権型まちづくりを希求する他の県内20会員会議所への影響を推し量る。