|
 |
社団法人 甘木・朝倉青年会議所
第36代 理事長 今 村 順 |
所信 |
スローガン
「更なる成長への好機、本物のJayceeの為に。」
|
【はじめに】
もう世相を語る必要はありません。刹那的な時代背景や将来不安を活字や言葉で表現しても、「どうしようもない」と言いわけや無責任、無力さを露呈するだけです。
JC誕生の背景は20世紀初頭の産業革命と資本主義によってもたらされた経済繁栄の裏で、様々な社会問題に揺れたアメリカです。戦後の焼け野原から、目覚しい発展を遂げた日本の原点にもJCの誕生がありました。ごく少数の青年達の情熱は、「若さ」という人生の中において、限られた期間にしか授かる事の出来ない特権を、勇気というエネルギーに変える事で、進んで難局にあたり、その難局をどうにかしたいと一途な行動が、地域に、国に、世界に貢献するという崇高な奉仕の精神を育み、志を同じくする者達から沸きあがる友情は、個々に大いなる成長をもたらし、現在までに多くのトップリーダーを輩出しています。
改めて、冒頭にある現在の悲観的世相を前向きに捉え、これに照らすならば、JCこそが何よりも求められる存在であり、その組織の中で成長できる者こそが将来不安を吹き飛ばす「たのもしい人財」として必ずや地域を、国を、世界を善導していくものであるということを確信すると共に、そのメンバーであることに誇りを持ちます。
【根ざし めざす】
社団法人甘木・朝倉青年会議所は35年の節目を迎え、新たな5年そして10年先を見据えた取り組みを行わなければなりません。日々刻々と変化する社会情勢は、IT革命による高度情報化社会の中で多様な価値観を我々に与え続けています。多くの情報がパソコンをとおして、直ぐ手の届く場所に手法や手段として存在しています。手軽で、便利で、効率的である反面、その情報が目の前にあるということの価値観や素晴らしさというものは、あまり感じる事が出来なくなってきています。
私たちが行う様々な事業は、35年の歴史と多くの先人達の甘木朝倉を心から愛する創始の精神に裏付けられた多くの事業(宝)によって受け継がれており、私たち現役メンバーは、その精神の伝承者としての取り組みがなされているか、再度確認をしなければなりません。毎年行われる継続事業が単なる消化事業に終わってないでしょうか。時代の流れに翻弄され、変革といいつつ糸の切れた凧のように、行き先も、落としどころも風任せな、思い付きの事業になってはいないでしょうか。歴史が積み重ねられれば、それだけ有益な手法が存在しますが、その価値観を理解できなければ、勇気と確信を持った新たな取組みはできません。
便利になれば、それだけ創始への回帰が求められるということです。時代が違うにせよ先人達の想いは、変えてはならないものであり、これを受け継ぐ一層の努力が求められ、安易に手法に頼ろうとする甘えを断ち切り、自分自身を積極的に変えていかなければなりません。揺ぎない歴史に立脚した想いを受け継ぐ取り組みの中からのみ、事業に明確な目的と意義を与えるものと確信します。ここ数年でメンバーも若返り、新たな息吹をしっかりとこの地域に届けるためにも、創始への回帰は重要です。
【日本人としてのJC】
「隣人の幸せを願う者が正しく報われる民主主義社会の達成」70年代宣言文の一文であり、JCとして、目覚しい発展を遂げた日本を支えた宣言文です。その本質への理解も薄れ、経済至上、物欲主義の便利ばかりな世の中は、過度な個人主義を助長し、その人間関係の希薄さから国家、地域、そして家庭をも崩壊へと追い込んでいます。中央財政の破綻から地域主権型社会の実現が求められている現在において、最も優先されるべき課題は、道徳や徳育を基本とした礼節を尊ぶ日本人としての文化や習慣の重要性を再認識し、隣人を思いやる、当たり前の心を育む事であると考えます。
天秤は一点を基軸にして、相対する二つの関係がバランスすれば、土台がどんなに傾こうと姿勢を保ち続け、外力が加わっても収束に向かいます。グローバル化が進み様々な変化への対応が求められる今だからこそ、失いかけている日本人としての気概を呼び起こし、大切にするということが如何に必要であるかということを強く感じます。
【住民としてのJaycee】
私がJCで学び、成長の糧であると強く思うことは、厳格な規律に基づく組織運営と、共に苦難な事業に取組み、勇気を与えてくれた身近な先輩やメンバーであり、正にJCの隣人たちの親心や思いやりです。人として様々なものを与えられ、心からの感謝を知った時、自分も何かを返さなければと本当の意味での奉仕の精神が生まれます。この身近で小さな関係の連鎖が強い心の絆を育み、強固な組織を築きます。愛すべき甘木朝倉というこの地域において、JC活動が与えてくれるメンバー間の、人としての絆は正に「強くて優しい甘木朝倉」であると共に、「甘木朝倉はひとつ」という心からのメッセージは、未来の甘木朝倉の原動力です。地域のより多くの方々に、JCの素晴らしさを伝え、自信を持って多くの同志を募る事が重要です。70年代宣言文結びのくだりは、
「人間性への信頼こそすべての国を結ぶきずなであることを確信する」
時代がどんなに変わろうとも、私たちがこの世に生まれ、何かの使命をもって生きているのであれば、それは隣人の幸せを願う思いやりを持ち又、それを感じ取れる身近な関係を築き上げることから、主体的で自律ある自己の存在意義が現れ、自ずと強いエネルギー(生命力)がみなぎり、充実した人生を見出すことが出来るものと確信します。
【甘木朝倉の更なる未来へ】
1998年創立30周年を機に、虹色の連携運動を展開し、平成の大合併が盛んに議論された2003年「甘木朝倉連邦構想」の提言を行い、35周年を迎えた2004年には、提言に基づく具体的な取組みとして、地域の様々な方々に参加を頂き、未来のグランドデザインとコミュニティのあり方についてワークショップ形式の事業を行ないました。初対面でありながら様々な立場で、様々な価値観がある中、自らが意見を出し合い、自らが集約する過程において、主体的に関ることへの喜びや楽しさ、充実感を実感されたと同時に、地域のより良き未来に向け、一人の住民としての自覚と責任というものも育む、意義ある新たな第一歩を踏み出しました。
虹色の連携運動当初、我々JCは地域における各種団体と行政間のコーディネーター役としての重要性を認識し、各種フォーラムの開催、仮想NPO会館の設立と各種団体や行政と様々な取組みを行ないましたが、そこには夫々の組織の殻や枠組みというものが強く存在しており、我々JCにおいても例外ではなく、活動の限界すら生じさせていた事も否めません。2004年の新たな取組みは、地域主権や住民自治を確立するために何よりも重要な、住民としての共通基盤に立脚した関係を再構築し、その中からJCとしてやるべき取組みを見出すことが重要です。その為には、多くの方々との触れ合いなくしては実現できません。恐れる事なく勇気を持って、この地域に、生活を共にする多くの人々の懐に、飛び込んで行きましょう。
【更なる成長への好機】
2004年九州福岡初の第59回世界会議福岡大会を副主管として貴重な経験をさせて頂きました。遡る事1999年より大会の成功を切に願い一心不乱で取組んできた福岡ブロックの多くのメンバーを始め九州、日本そして世界の数多くのメンバーは、そのプロセスの中で強い友情と絆を育み、九州地区77LOM副主管という関りを実現し、これをステップとして、新たな関係性を築き上げたものと確信します。
2005年は福岡ブロック協議会会長輩出LOMとして、強い絆を育んだ新しい福岡そして九州を身近に感じ取れるものと考えます。出向はLOM活動だけでは味わえない多くの学びを得ることができ、ちょっと無理する以上の見返りは、自分の気持ち次第で何倍にもなって返ってきます。LOMメンバーはじめ、出向先において他LOMに至る多くのメンバーの支えを実感すると何ものにも代えがたい感謝の気持ちというものを味わえます。出向は、個人にとってもLOMにとっても有益なものであり、福岡ブロック協議会会長を輩出するということはLOMそのものが出向するという気概をもって、滅多に経験できない価値ある1年となるようLOMとして大いなる成長を共に成し遂げましょう。
【おわりに】
自分に対して、出来る事からなんて勿体ない事はやめよう。
未知への経験こそ大いなる成長への糧であり、青年らしい勇気と覚悟で、果敢に行動しよう。
隣人に対して、批評ばかりしてないで、自分に出来る事があれば、惜しみない協力をしよう。
必死で頑張る姿があれば、見返りなど期待せず、隣人の幸せを願い一途に行動しよう。
隣人は貴方にとって、とても大切な支えであり、そして貴方自身でもあるのです。
本物の「修練」「奉仕」「友情」のために。
|
【基本方針】
・厳格で礼節を尊ぶLOM運営
・自信と誇りに裏付けられた会員拡大
・創始の精神と歴史に立脚した事業の推進
・個性の尊重と人間性を重視した、共に成長し合える組織造り
・新たなまちづくりへの実践と検証
・将来を担えるまちづくりをとおした青少年育成
・出向支援をとおしたLOMのレベルアップ
|
|